本日翻訳して紹介するのは、the New Yorker のWeb版にのみ掲載のコラムです。新型コロナワクチンをリスクを理由に接種しない人がいます。筆者はmRNAワクチンは非常にリスクが少ないと言います。でも、ワクチン忌避者がそうした事実を知って翻意することは稀でしょう。なんか理屈で説得するのは無理だと思うのです。
Clayton Daltonによって8月25日に投稿されたコラムです。タイトルは、“Why the COVID Vaccines Aren’t Dangerous“(新型コロナのワクチンが危険ではない理由)です。サブタイトルは、”Many vaccine-hesitant people worry about adverse health effects. They shouldn’t.”(多くのワクチン忌避者は副反応を懸念しています。しかし、懸念すべきではないのです)となっています。
筆者はボストン在住の医師です。医療関係の記事をしばしば寄稿しています。今回の記事は、臨床医の立場からのもので、新型コロナのワクチンはメリットがリスクよりも比較しようも無いくらい大きいので、接種を忌避している人も事実を正しく認識して接種を受けてほしいというのが主旨です。
ワクチン忌避者が忌避する理由は、いろいろあります。mRNAワクチンは未知のテクノロジーで、将来どんな影響が出るか分からないというのも1つの理由になっています。DNAが影響を受けて変化してうんぬんという説が流布しているようです。しかし、mRNAワクチンを打って、メッセンジャーRNAの指示でスパイクタンパク質が産生されて、免疫系がウイルスが侵入した時に応答するという一連の現象は全てDNAが収まっている細胞核の外側で起こっていることなので、DNAが変化するような影響など起こり得ないのです(筆者によれば)。また、ファイザー社製以外のmRNAワクチンは、FDAが緊急使用の承認をしたのみで完全承認をしていないことから、FDAはリスクがあることを知って隠しているということを言う人もいます。しかし、それも筆者によれば誤りで、ワクチン承認は非常に膨大なプロセスを要するので、それに時間が掛かっているだけのようです。また、筆者によれば、新型コロナワクチンの接種による血栓症になるリスクから接種を嫌気している人がいるが、そのリスクは接種しない場合の方が高いとのことです。まあ、とにかく、新型コロナのワクチンはメリットが大きいので接種すべきだという説明が延々と為されます。
私には、筆者の説明が腹にはまりました。元々、ワクチンを接種するつもりですし(9月にようやく予約が取れた)。しかし、ワクチンを絶対接種したくない人もそれなりにいます。そういう人たちを全て翻意させて接種させることは不可能だと私は思います。もう、理屈とかではないですからね。何かのアレルギーなどでアナフィラキシーショックを起こした人だったら、ワクチンを忌避しても不思議ではありませんからね。まあ、有効性とリスクの低さを切々と訴え続けるしかないと思います。それで少しでも多くの方が接種を受けてくれたら良いと思うしかありません。
では、以下に和訳全文を掲載します。