松本零士氏逝去!松本氏は主人公が必死に生き抜く様を描いたが、現代のマンガ家が同様の描写をするのは難しい!

 本日翻訳して紹介するのは、the New Yorker Web版にのみ4月18日に掲載された Matt Alt によるコラムです。タイトルは、”Anime Confronts a New Apocalypse”(アニメは新たな黙示録に直面している)です。Matt Altは日本に関するコラムをしばしば寄稿しています。

 スニペットは、”In the postwar era of plenty, a master storyteller took anime to the stars. But now the art form is turning inward, reflecting the diminished horizons of a younger generation.”(戦後の豊かな時代に、偉大なストーリーテラーがアニメ人気を沸騰させました。しかし今、マンガやアニメは内向きになりつつあります。それは若い世代の視野が狭まっていることの反映です。)となっていました。

 さて、本日翻訳したコラムは、松本零士氏の逝去に関するコラムでした。コラムの趣旨は以下のとおりです。

  1. 宇宙戦艦ヤマトの大ヒットでその後のアニメブームの火付け役であった松本零士氏が亡くなった。
  2. アニメが市民権を得つつあった時代、戦後の貧しさから抜け出して、高度経済成長期の真っ只中であった。
  3. マンガは日本で独自の進化を遂げたわけであるが、日本ではマンガの描写に関して何の制限も無かった事が大きい。
    アメリカでは、1954年にコミックス倫理規定委員会が設置され、過激な描写等を制限し、いかなる場合においても善は悪を打ち負かすストーリにすることを要請していました。
  4. 松本は、黙示録的な描写をする中でも主人公が力強く明日に向かって生き抜く姿を描いていた。
  5. 松本以降、沢山の優秀なマンガ家が出現している。しかし、内容を見ると松本の描いたものとは趣が異なっていて、荒涼としたものが多くなっている。
  6. 荒涼とした内容のマンガが増えていることは、世相を反映していると言える。
    ゼレニアル世代の心底には、バブル崩壊後の景気低迷、政治の停滞等々がもたらす閉塞感が宿っています。彼らが明るい未来を心の中に描くことは難しく、そうした世相の影響を受けやすいサブカルチャーであるマンガに反映しているのです。

以上が趣旨でした。

以下に和訳全文を掲載します。詳細は和訳全文をご覧下さい。