Biden Heads for the Midterms with Ten Million New Jobs
バイデン大統領が中間選挙に向け奮戦中!1,000 万人の新規雇用を生み出した実績をアピール!
Inflation is still a cause for concern, but no other President has had this pace of job growth in their first two years in office.
インフレは依然として懸念材料ですが、就任後最初の 2 年間でこれほどのペースで雇用を増やした大統領は他にいません。
By John Cassidy October 7, 2022
9月の雇用統計が発表されたので、中間選挙前に残された雇用統計の発表の機会はあと1回のみとなりました。10月の雇用統計の数値は11月4日(金)に発表されるわけですが、それは投票日のわずか4日前です。土壇場の発表でサプライズが起こる可能性も無きにしも非ずですが、本日発表された数値をもとに、ジョー・バイデン政権は有権者に2年間の成果を誇るべきだと思います。2021年1月にバイデン大統領が就任して以降、アメリカでは1,000万件の雇用が創出されました。これは非常に凄いことです。
労働省が発表した雇用統計によると、先月は26万3千人の雇用増となりました。数字としては8月の増加数の31万5千人を下回ったわけですが、失業率が3.5%と過去半世紀で最も低い数字になった経済状況下において、雇用が引き続き堅調であることを示しています。バイデンが大統領に就任して以降、毎月平均50万人の雇用が増えています。バイデン大統領の側近は、大統領が就任して2年間で雇用がこれほどのペースで増加したことは前代未聞であると指摘しました。
労働市場で雇用が増えているとはいえ、人種または学歴によって多少のばらつきがあるようです。それでも過去20カ月間の雇用増は、あらゆる業種に広く浸透しています。ドナルド・トランプがホワイトハウスを去った時、ヒスパニック系の人たちの失業率は8.6%でした。それが、先月には3.8%となり過去最低を記録しました。同じ期間に、アフリカ系の人たちの失業率は9.2%から5.8%に低下しました。(ちなみに直近の白人の失業率は現在3.1%)。
このように雇用統計の数値が良いことは、単純に喜んで良いことなのでしょうか。たしかに、大局的に捉える必要があります。バイデン大統領は、他のどの大統領とも異なる点があります。それは、経済に大打撃を与え雇用も急激に減らした疫病のパンデミックの直後に就任したということです。過去1年半に見られた力強い雇用の伸びの多くは、前例のないほどのショックで落ち込んでいたところから戻った分なのです。そうは言っても、バイデンが大統領に就任した時のことを思い返してみると、当時、パンデミックからの景気回復や雇用の回復を期待するのは難しい状況であったことも事実です。実際、アメリカはG7の中で最も急速にパンデミックの景気後退から回復しています。
アメリカ経済が他国に先駆けていち早く復活したのは、バイデン大統領の就任直後に民主党が1兆9,000億ドル規模の景気刺激策である”2021年米国救済計画法(American Rescue Plan Act)”を可決したことが少なからず寄与していると思われます。もちろん、この救済計画法は議論を呼ぶもので、共和党は(一部の民主党寄りの経済学者でさえも)、そのせいでこの1年半のインフレ率の急騰がもたらされたと批判しています。しかし、救済計画法を批判する人たちは、ある意味で、救済計画法が経済を下支えし、雇用を増加させることに成功したことを認めています。というのは、彼らの主張は、救済支援策が上手く効きすぎたために、景気が過熱しすぎて物価の高騰を招いてしまったというものだからです。
9月の雇用統計を見て注目すべきことがあります。それは、1970年代に見られたような賃金・物価スパイラルにアメリカ経済が苦しんでいるという証拠が全く見られないということです。インフレ・タカ派がしきりに危惧しているような状況に陥りそうな兆候は全く無いのです。9月の平均時給は10セント上昇しました。これは約0.3%で年率換算では3.8%です。1ヶ月だけ異常な数字になったわけでもありません。昨年末以降、賃金の伸び率は緩やかに低下し続けています。一方、アメリカ企業の利益率は、過去70年間で最高水準に達しています。これは、あらゆる企業が物価上昇分を消費者に転嫁できていることによります。その上で企業の利益も上乗せできているのです。
なぜだか分からないのですが、企業収益が過去最高を記録したことが大々的に報道されることはあまり多くありません。また、連邦準備制度理事会(FRB)もそのことについてはほとんど触れません。FRBの幹部連中は、ある時点まで金利を上げ続けようとしているようです。ジェローム・パウエル議長率いるFRBは、インフレ率を下げることを目標にして、それが実現するまで金利を上げ続けるのでしょう。そうすれば、いずれインフレは終息するかもしれませんが、下手をすると景気自体が腰折れし、雇用も弱くなってしまう可能性もあります。そのため、金曜日(10月7日)の株式市場は急落しました。ダウは600ポイント以上下落しました。雇用統計の数値を見て、多くの投資家は、アメリカの景気がFRBを失望させるほど急速には減速していないと考えているようです。
このような環境の中、中間選挙を迎えるまでの数週間は、株式市場のボラティリティがさらに高まることが予想されます。来週は商務省から9月のCPI(Consumer Price Index:消費者物価指数)が発表される予定です。インフレ率がどれくらいに落ち着くのかという点が非常に注目されています。今週初めに発表されたモンマス大学(Monmouth University)が実施した世論調査によると、アメリカ人の5人に4人以上が依然としてインフレを極めて重要な問題、あるいは重要な問題と認識しています。ですので、共和党は11月の中間選挙の当日までこの問題で民主党を叩き続けるでしょう。しかし、バイデン政権と共和党は、中間選挙までの最後の1カ月間を戦い抜く際に、新たなスローガンを掲げるようです。何せ、この1年半で1,000万人の雇用を創出したわけですから、それを誇らないというのはナンセンスです。スローガンは、「史上最速の雇用増加」というものです。バイデン大統領は、ツイッターでもそのスローガンを拡散しまくっています。♦
以上
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