景気の息切れが鮮明になった中国!どうして、中国政府は景気刺激策を打たないのか?このまま立ち直れないのか?

 本日翻訳して紹介するのは、the New Yorker Web版に8月12日に投稿の John Cassidy によるコラムです。タイトルは、”China’s Economic Miracle Is Turning Into a Long Slog“(奇跡を起こした中国経済は、長い闘いに直面している)です。

 John Cassidy は、スタッフライターです。主に経済、時には経済、たまに時事問題に関するコラム、記事を書いています。非常に多作です。多分、天才です。さて、今回訳してみたコラムは、中国のGDPの成長率が鈍化したことに反応して書かれたものです。中国経済は、一体どうなってしまうんでしょうか?まあ、いくらCassidyが賢いといっても、そんなことを予測できるわけがありません。そもそも、そんな奴はいないと思います。

 中国のGDP成長率が鈍化しているのは、物価上昇が起こっていないことが大きく起因しています。ここはアメリカと大きく違うところです。アメリカでは原油価格が上がって、日本やEC各国等も同じですが、それが物価を押し上げています。が、中国では原油価格は上がっていないのです。ロシアが西側諸国に販売できないのを見越して安く買い叩いているからです。物価が下がっていると、同じ量を生産してもGDPは横ばいではなく、下がります。GDPは、あくまで金額ベースですから。現在の中国は物価が下落していて、ちょっとだけ生産量が増えているが、GDPの成長が停滞しているという状況です。

 西側諸国であれば、GDPがマイナス成長となれば、景気刺激策をパッケージで総動員します。何と言っても、選挙があるわけで、景気を回復させないと選挙で勝てませんから。しかし、現在、習近平政権は財政出動や低金利政策等の実施を頑なに拒んでいます。何故なのでしょうか?おそらく、そんなものは必要ないと認識しているからでしょう。多分、目標に掲げている実質GDP成長率5%は達成できると踏んでいるのでしょう。可能性は少ないですが、習近平の側近に、正しい数値等が伝えられておらず、景気停滞の深刻さを習近平が認識していないのかもしれません。

 ほっといても中国経済は回復するのでしょうか?するかもしれません。何と言っても、リーマン・ショック後の混乱を世界で一番素早く抜け出したのは中国だったという事実があります。それは、たまたまのことで、中国経済の潮目は変わっていて、日本のように長期停滞に陥るのかもしれません。残念ながら、どうなるかを正確に予想できる者などいないでしょう。しかしながら、習近平が経済刺激策を総動員しなさそうですので、リーマンショックからの景気回復時のように中国が牽引役となる可能性は低いような気がします。

 では、以下に和訳全文を掲載します。詳細は和訳全文をご覧ください。