本日翻訳し紹介するのはthe New Yorker のJanuary 18, 2021 Issueの記事です。題は”CRISPR and the Splice to Survive”(ゲノム編集技術(CRISPR)と種の保存)です。CRISPR を使って絶滅危惧種を保護することは是か非かということが記されています。
この記事は、スタッフライターのElizabeth Kolbertによる記事です。彼女はサイエンス関係の記事を沢山書いていて、非常に面白い記事が多いです。今回訳したのは今年(2021年)1月18日号の誌面載ったものです。crisprについての記事でした。crisprで遺伝子編集をして、遺伝子ドライブを起こして、オーストラリアに移入されて多くの動物種を絶滅の危機に至らしめているオオヒキガエルを根絶する方法について記されています。遺伝子ドライブというのは、特定の遺伝子が偏って遺伝する現象のことです。それを人為的に起こすことで、例えば子孫がオスばかり出現するようにすれば、あっという間にその種を根絶することができます。
この記事では、遺伝子ドライブは自然界の中では頻繁に起こっていることで、特定の種の特定の遺伝子のみに人為的に遺伝子ドライブを引き起こさせたとしても、自然界全体に与える影響は少ないのではないかとの主張が為されています。しかし、反対する声も世の中にはあるようです。crisprという新しいテクノロジーを活用したいという考えは理解できますが、遺伝子編集した個体を自然界に放って取り返しのつかない事態が引き起こされないかという懸念もあります。人為的に遺伝子ドライブを引き起こす個体を自然界に放す際には、事前に十分な議論が必要だと思いました。
では、以下に和訳全文を掲載します。