ニューヨーク市スタテンアイランドでライム病を媒介する鹿の個体数が急増!駆除推進派と保護推進派が対立!

 本日翻訳し紹介するのはThe New Yorker のNovember 15, 2021 Issueに掲載の記事です。タイトルは”Deer Wars and Death Threats”(シカの個体数急増と駆除について)です。スタテン島の鹿の急増に関する記事です。駆除したくても、動物愛護団体の反対で出来ないようです。

 サブタイトルは、”A small subset of wild animals thrive alongside humans. An unusual—and polarizing—set of conservation projects have sprung up in response.”(野生動物の小さな集団が人間の居住地のすぐそばで繁殖しています。それを保護するさまざまなプロジェクトが行われています。しかし、中にはちょっと変なプロジェクトもあります。)です。Brooke Jarvisによる寄稿記事です 。Jarvis氏は科学関連の記事を時々寄稿しているようです。

 さて、この記事はスタテン島(ニューヨーク市)で鹿の個体数が増えすぎたことに関するものです。増えすぎたんなら駆除すれば良いではないかと言う人もいると思いますが、ことは単純ではありません。まずどうやって駆除するかという話になります。猟師が鉄砲で・・・という方法は採用できません。スタテン島は大きな公園と人の居住エリアが入り混じっていますから、鉄砲はご法度です。それで、雄鹿を餌でおびき寄せて麻酔銃を発射して精管切除する方法が採用されました。でも、精管切除って獣医しかできませんから、費用も掛かるし、そんなに件数が稼げないような気がします。でも、この方法で一定の成果があったようです。

 そのことに端を発して、この記事で論じられていたのは、自然と人間の活動は複雑に絡み合っているということです。純粋な自然(人の手が全く関与していない自然)など存在しないのだから、環境保護とか自然の回復ということを論じる際に、人間の関与を完全に排除することを前提にするのは間違っているということが書かれています。私の訳が拙くて、その辺のニュアンスが伝わりにくかったら申し訳ありません。その際には原文をご覧いただきたいと存じます。

 では、以下に和訳全文を掲載します。