本日翻訳し紹介するのは The New Yorker の Web 版に 4 月 2 日に投稿された John Cassidy のコラムで、タイトルは” The Truth About Donald Trump’s “Liberation Day””(ドナルド・トランプの「解放の日」の真実)となっています。
John Cassidy はスタッフライターで経済をカバーしています。今回翻訳したコラムのスニペットは” The President’s one-man trade war was already hurting the economy. His expansive new tariffs will make things worse. “大統領の独断的な貿易戦争はすでにアメリカ経済に大打撃を与えている。彼の広範な新たな関税は事態をさらに悪化させるだろう)となっていました。
さて、4 月 2 日の夕方(現地時間)にトランプはその日を「解放の日」と呼び、広範で高い関税を課すと宣言しました。その日のアフターマーケットから株価の暴落が始まりました。今日( 4 月 7 日)も暴落は続いています。下げ止まりません。今までの株価水準がかなり高かったのもありますが、リーマンショック級の暴落です。日経平均は 3 万円を割り込む可能性もありそうです。
2020 年以降株価が上昇し、日経平均も PBI からすると割高感が出始めていました。ここらで一旦調整するのも良かったのかもしれません。下げが中途半端だとまだ下げが続きクライマックスはまだまだ先だと感じられてしまいます。先週末と今日の下げでアク抜け感が出てきました。そろそろ買いを入れても良いかもしれません。
今回の株価暴落は間違いなくトランプ関税が原因です。歴史的に見れば明らかですが、関税なんてものは低ければ低いほど良いのです。自由な交易が広がれば世界中の国々が自国の持つ資源、テクノロジーを最大限活用できるようになるのです。もちろん、賃金の安い国と自由貿易をすると一部のコミュニティや産業は崩壊してしまいます。それでも、その分、新たに栄えるコミュニティーができるし、別の産業が栄えるのです。
そもそも関税で自国の産業を保護しようなんていう策は愚策でしかないのです。そのことは日本の米が証明しています。保護した結果、日本の米農家はどうなったでしょうか。規模の拡大もなく生産性も低いままです(生産性は高まったが、その度合いが多国より低い)。反収はカリフォルニアの方が 5 割も多いのです。日本の米の原価はカリフォルニア米の何倍でしょうか。10 倍とは言わないまでも 5 倍以上と推測します(どこまでを原価とするかは意見の分かれるところであるし、為替の問題もあり計算が難しい)。減反政策等で投じられた莫大な補助金は全て無駄だったと言わざるを得ません。
しかし、不思議なのはトランプが関税を課すことを計画した際に、共和党議員がそれほど反対しなかったことです。おそらく、反トランプの姿勢を少しでも示すと駆除されてしまうので、反対しずらいのでしょう。アメリカでは独裁政治の脅威が迫っているようです。しかし、とにかく独裁だけは避けるべきだと思います。19 世紀のイギリスの思想家・政治家のジョン・アクトンの格言を思い出します。「権力は腐敗の傾向がある。絶対的権力は絶対的に腐敗する」というものです。アーサー・C・クラークの「幼年期の終わり」の中でも引用されています。
話がそれましたが、以下に和訳全文を掲載します。詳細は和訳全文をご覧ください。
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