本日翻訳し紹介するのは、the New YorkeのSeptember 28, 2020 Issueの記事で、題は”The Elusive Peril of Space Junk”(危険な宇宙ゴミ)。半年前の記事です。中国のロケットが燃え尽きず地表に落下するかもというニュースがあり、関連するこの記事を思い出しました。
この記事は、Raffi Khatchadourian氏の記事です。彼は同誌のスタッフライターです。テクノロジーに関しての記事が多く、政治や国防に関する記事も書くことがあります。
この記事は上にも記しましたが、September 28, 2020 Issueに掲載された記事です。その号はThe Technology Issue(テクノロジー特集号)でした。その号で面白そうな記事は、この記事(宇宙ゴミ問題)と、人工甘味料開発競争に関する記事と、ネットリンチに関する記事でした。
今日この記事を取り上げた理由は、米国防総省が中国の大型ロケット長征5号Bが大気圏で燃え尽きずに地表に落下する可能性があると指摘したことがニュースになっていて、宇宙ゴミ(スペースデブリ)に関する記事があったことを思い出したからです。(長征5号Bは5月9日昼頃に燃え残った残骸がインド沖の海上に落下したようです。)
非常に長い文章ですので、最後に和訳全文を掲載しますが、先に要旨のみ記します。要旨は次のとおりです。
要旨
- 2015年7月16日 ISS(国際宇宙ステーション)に超高速のデブリと接近。
NASAの事前の予測では22キロまで接近するとされていたが、実際には2.4キロまで接近した。この差異を大きいと思うのか、誤差の範囲で非常に正確な計算であったと捉えるのか?宇宙空間の高速の物体の軌道の予測は非常に難しいようです。 - 1957年に初の人工衛星(スプートニク1号))打上以降、スペースデブリは増え続けている。
これまで打ち上げられた人工衛星は1万個弱。内、2,700個は故障か機能しておらず、また、使用済みロケットも数千個浮遊しています。それらは宇宙ゴミです。高度が下がって大気圏で燃え尽きれば問題を起こしません。他の人工物に衝突すると無数の破片(デブリ)が産生されます。 - NASAは26,000個のスペースデブリを常時追跡。
10センチ以上のものしか認識していない。細かいものを考慮すると無数にあると言える。1センチのデブリでも超高速で衝突すれば人工衛星は粉々になる。 - 1970年代ドナルド・ケスラーがこの問題を認識。
- 人工衛星が増え、スペースデブリとの衝突の危険性が高まっている。
人工衛星が周回しているのはLEO(低地球周回軌道)の低いところ。地球から十分遠くて引力の影響が小さく飛行維持の燃料が少なくて済む。また、地球からそれほど遠くなく通信に有利である。その付近では人工衛星が密集している。 - スペースデブリ回収方法の開発競争
英国のサリー宇宙センターが宇宙空間でのデブリ回収実験に成功(世界初)。ナノラックス社やスペーススケール社等も独自の技術で実験中。
以上が要旨です。では、以下に和訳全文を掲載します。