トランプ関税がアメリカ企業を苦しめる?関税に苦しむ玩具販売会社の法廷闘争!

アメリカの製造業の多くは1980 〜 90年代に海外に製造拠点を移している。トランプ関税はそうした製造業を苦しめるだけである。90日の猶予が設けられたが、製造業は海外に製造オーダーを出すのはもっと前である。製造業には貢献しないが中国に痛手を追わせることはできる。

 本日、翻訳して紹介するのは、John Cassidy による The New YorkerWeb 版 June 9, 2025 に投稿されたコラムで、タイトルは ” How a Family Toy Business Is Fighting Donald Trump’s Tariffs “(家族経営のおもちゃ会社がトランプ関税に挑む闘い)となっています。Cassidy はスタッフライターです。彼が書く 3 段組み 1 ページのコラム” The Financial Page ”は視点がユニークで面白いので、ぜひ読んでほしいです。スニペットは、” Despite securing an important court victory against the Administration, the Illinois businessman Rick Woldenberg knows that his battle with the White House is far from over.”(トランプ政権に対する重要な裁判で勝利を収めたにもかかわらず、イリノイ州の企業経営者リック・ウォルデンバーグは、ホワイトハウスとの戦いがまだ終わっていないことを認識している)となっていました。

 さて、このコラムはトランプ関税に関するものでした。まあ、関税をかければ自国の産業を守れると考えるのは浅はかなことです。関税をかけて自国の産業が守れるわけがない。それは日本の米を見れば明らかです。ある産業を守ろうとするならば、短期的に関税を発動するのは良いかもしれませんが、結局のところ生産性を上げる施策を実行する以外に有効な策はないのです。

 アメリカの米、カルローズ米に競争力の高さ(食味もよく、価格もこなれている)の根源はアメリカの農業の生産性の高さにあるのです。アメリカの農業の生産性のの伸び率は過去 30 年間で年平均 5% を超えています。10% と計算する研究者もいます(ちょっと過去の記事で読んだことなので詳細は思い出せません。まあ、計算のしかたにもよるのでしょうし、生産性というと付加価値/投入人時(もしくは投入した資本)ですので、単純に穀物の相場が上がっただけで、単位面積当たりの収量の増が年率 10% 増えたわけではないのかもしれません。また、カルローズ米の食味が良いと言うのはあくまで私がアメリカで寿司を食べた際の個人的な感想です)。

 さて、話がそれてしまいましたが、以下に和訳全文を掲載します。詳細は和訳全文をご覧ください。