本日翻訳し紹介するのはthe New YorkerのWeb版の記事で、タイトルは”Why a Negative Test Doesn’t Guarantee You Don’t Have the Coronavirus”(なぜ?PCR検査で陰性と判定されても、実際には新型コロナに感染している人が沢山いる!)です。
Clayton Daltonによる寄稿記事でした。氏は医学関連の記事を沢山書いています。サブタイトルは、”We want coronavirus tests to give us the all-clear. But, in medicine, test results are clues, not answers—and no test is perfect.”(新型コロナに関して検査を受ければ、陽性か陰性かはっきり分かると思うじゃないですか?でも、実際には検査結果は、確定的なものではなく、単なる手掛かりでしかないのです。全ての医療検査は完全に正確ではないのです。)となっています。
この記事を読んで今まで知らなかったけど、理解できたことがありました。それは、PCR検査の精度は高くないということです。特に本当は新型コロナウイルスに感染していて陽性と判定さえるべきなのに、陰性(偽陰性)となってしまう者が多いということでした。逆に、本当は陰性なのに陽性(偽陽性)と判定されてしまう者はそんなに多くありません。正確でない理由はいろいろとあります。綿棒でサンプルを採取する際の手際が悪かったりするとウイルスの量が十分ではなく偽陰性となってしまうこともあるようです(人為的ミス)。また、感染初期の者や無症状者はウイルス量が少なく、そもそもPCR検査では陽性と判定するにはウイルスの量が不十分ということもあります。また、実は正しい手順でサンプルを採取し、ウイルス量が十分であっても必ずしも正しく陽性と判定されるわけではありません。というのは、PCR検査というのは完全に正確に判定できるものではないのです。
さまざまな検査が医療機関で行われていますが、実はどんな検査もPCR検査と同様に完全に正確に判定をすることは不可能なのです。マンモグラフィーの精度はせいぜい80%しかありません。私は、医療機関で行っている検査はほぼほぼ完全に正確なものだと思っていました。そこの認識をこの記事を読んで改める必要があるなと思いました。さて、医療の検査はさまざまなものがありますが、その精度は、2つの指標で表されます。”感度”と”特異度”です。感度は、陽性者を正しく陽性と判定する確率です(陽性者100人検査して、95人を陽性と判定した場合の感度は95%)。特異度は、陰性者を陰性と判定する確率です( 陰性者100人検査して、85人を陰性と判定した場合の特異度は85% )。沢山の人が検査を受けた際に、どのくらいのエラーが出るかは、この2つの指標と”基準率”が影響します。新型コロナのPCR検査では、感度が低く(陽性者を偽陰性と判定してしまう確率が高い)、基準率が低い(全体に占める陽性者の割合が圧倒的に少ない)ため、かなりの確率で偽陰性者が発生してしまうのです。まあ、このことは私が知らなかっただけで、知っている人もかなり多かったようです。
では、以下に和訳全文を掲載します。