2.改良が続くも、なぜ人道的なネズミ捕り器は完成しないのか?
初期のネズミ取り器は、必ずしも殺傷能力の高いものではありませんでした。古代エジプトでツタンカーメンの下に住んでいた人が使っていたかもしれないほど古いネズミ捕り器は、ネズミを陶器の中に閉じ込めるものでした。ネズミが餌のついた糸を引っ張ると、陶器の扉が閉まるという仕組みでした。それ以来、さまざまな方法が開発されました。ドラモンドは、全てのネズミ捕り器を系統立てて説明するために分類していました。ネズミ捕り器は、大きく分けると非殺傷系と殺傷型とその他の3つに分かれます。非殺傷系は、単独捕獲型と複数捕獲型に分かれます。殺傷系は3分類(バネ型、窒息型、鮫顎型)に分かれます。実に種々雑多ですので、その他という大分類があるわけですが、ちょっと独特な方式を採用しているものがかなりあり、それには粉砕型、串刺型、爆発型、感電型などがあります。特許庁による動物の捕獲機の分類はもっと細かくなっていて、23分類となっています。筒や回転扉が回るタイプの捕獲機が1分類となっていますし、動物をカゴ等に投げ入れる捕獲機が1分類となっています。多くの捕獲機の開発者が、そうした分類など気にしていたわけではなく、独自のものをせっせと開発したり、既存のものを組み合わせたようなものを開発したりしました。1500年代にイギリスの多くの家庭で使われていたネズミ取り器は、風車の羽根のようなものが付いていて、テーブルの下等に置かれるものでした。ネズミが風車の羽根のような所に乗ると、それが回ってネズミは下の水を貯めた部分に落ちて水死するしかありませんでした。
かつてはガラス瓶を使ったネズミ捕り器が多くの家庭で使われていたこともあるようです。瓶の口あたりに内向きの細いいくつものトゲのようなものを付けて、ネズミが中に入ると出ることができないようにしたものでした(パーによれば、これは非常に効果的だったそうです)。ギロチン式のネズミ捕り器が使われたこともありました。刃や金属製の棒がネズミの首に落ちるというものでした。しかし、ジム・スチュワート(Jim Stewart)によれば、それが商業的に成功したことはありませんでした。 スチュワートは、それが売れなかったのはあまりにも危険だからであると言っていました。 1876年、ネブラスカの1人の農夫が、後に「デリュージョン(Delusion:妄想の意)」という商品名で販売されたネズミ捕り器で特許を取りました。ネズミをおびき寄せて捕らえるもので、チーズやケーキでネズミを罠の内部に誘い込み、中に進んで曲がった先にある出口の無いスペースにネズミを入れる仕組みでした。20世紀初頭には、捕獲したネズミに罠の中で羽根車の上を走らせる罠が登場しました。ネズミが勢いよく羽根車の上を走ると罠自体が床の上を移動するというものでした。しかし、それを販売した会社は2年後に潰れました。ネズミを捕まえるという点で優れていたのですが、ひっきりなしにネズミが捕まって、その罠が動いて音を発し続けるので五月蠅かったのだとスチュワートは言っていました。それは、ある意味で馬鹿げたものだったわけですが、昔から、ネズミ捕り器にはそうしたものもあれば、残酷なものもあり、それが現在でも続いています。2019年にある発明家が、YouTubeでネズミ捕り器のレビューアー(評論家)をしているショーン・ウッズ(Shawn Woods)に、ネズミをミニチュアの大砲の砲身におびき寄せて引き込むことで機能するネズミ捕り器を送りました。その大砲は爆薬の代わりにプロパンガスを使って機能するようになっていました。赤外線ビームでネズミが砲身に入ったことを感知すると、豪快にネズミが撃ち出されるという醜悪な趣味のものでした。ネズミが飛ばされる先は水を張ったバケツで、プロパンガスの量を調整して撃ち出し速度の調整が出来ました。
1942年生まれのパーは、マスクラットやアライグマの捕獲に親しんで育ちました。消防士として働いた後、妻のジェーンと救急救命器具を販売するビジネスを始めました。同時に、片手間で妻の毛皮のコートを作るために十分な量のミンクを罠で生け捕ることに挑戦していました。1980年代に、彼は罠をコレクションの対象として捉えるようになったのですが、それは地元の罠を使って猟をしている人たちの集いに参加したことがきっかけでした。それで、罠を蒐集する人たちのコミュニティがあることを知ったわけですが、中には実際に罠を使って猟をしている人たちも少なからずいました。そうした人たちが、パーに罠を売って欲しいと言ってきました。それで、彼は1個40ドルほどで罠をいくつも売りました。その際に得たお金で彼は罠のコレクションを始めたのです。
彼は、ヘラジカ、シカ、コヨーテ、ビーバー、キツネ、モグラ、クマ用の罠を買い集めました。また、カブトムシ、ハエ、蚊、クモなど昆虫用の罠も買い集めました。また、ネズミ用の罠は特に集中的に買い集めました。それは、小さいものが多かったというのと、珍しいものが少なくなかったというのが理由です。買い集めた中には、中国製のものもいくつかありましたし、南北戦争時代の木製のものもありました。また、ネズミ取り器だけでなく、それらの広告や販促物やネズミ型の針山(裁縫用)やネズミの置物やネズミ取りをテーマにしたゲームなども買い集めました。1991年に、彼は北米ネズミ捕り器蒐集家協会(North American Trap Collectors Association)の会長に就任し、自宅の倉庫に手を加え、保管されていたネズミ捕り器を公開する博物館としました。
その博物館にいると、たくさんのネズミ捕り器に混じって磁器製の笑顔でかわいいネズミの置物がおかれているからでしょうか、ちょっと不思議な気持ちになります。ネズミ捕り器が時として残虐であるからとして問題視されることがあるわけですが、そうした問題はネズミが好きな人が少なからずいることで発生しています。ドラモンドはネズミ捕り器の歴史に関する本以外にも本を書いています。書名は、「A Celebration of Mice(ネズミの祭典)」でした。また、ウッズ(前述のYouTubeでネズミ捕り器のレビューをしている人物)は、ネズミをペットとして何匹も飼っていて、彼の動画の中には飼われているネズミが「キャスト」として登場します(彼は飼っているネズミを使って、さまざまなネズミ捕り器がネズミを傷付けないか否かをテストしていますし、それらにおやつを与えたりしています)。小さな子どもたちはネズミが大好きで、ミッキーマウスやミニーマウスやネズミのバレリーナのアンジェリーナ(Angelina Ballerina)は大人気です。私も子供の頃、「If You Give a Mouse a Cookie (邦題:もしもネズミにクッキーをあげたら)」という絵本が大のお気に入りでした。私は両親にネズミをペットとして飼いたいと言ったのですが断られたことを今でも鮮明に覚えています。とても悲しい思いをしたことを覚えています。実は、私はニューヨーク・シティに引っ越すまで、あまり本物のネズミを目にしたことがありませんでした。私はそこでアパートに住んだのですが、そこで見かけたネズミはまだ可愛げがある方でした。しかし、ネズミは、人を当惑させますし、いろいろと悪さをしますし、ちょっと気持ち悪いものでした。時として、ルームメイトとの間で、どちらがより部屋を汚くしていてネズミが来る原因を作っているのかということで論争になってしまうこともありました。ネズミは、保健衛生当局から忌み嫌われていました。というのも、ネズミは自分で毛づくろいすることに余念がないのですが、フンにはサルモネラ菌やハンタウイルスなどのウイルス等が含まれ、体毛にはノミやダニが大量に宿っていて、それらがペストやライム病を媒介することがあるからです。アメリカ疾病対策予防センター(Centers for Disease Control and Prevention)によると、この30年間、アメリカでは平均すると毎年約30人がハンタウイルスに感染し、約7人がペストに感染しているそうです。非常に少ない数字ですので、ネズミはそんなに悪さをしていないのではないかと主張する人もいます。人間は進化の過程で疫病をもたらす危険性のある生物に対して反感を持つようにプログラムされているわけですが、そんなにネズミを忌み嫌う必要は無くなったのではないかという主張をする者もいます。そうした状況ですから、ネズミ捕り器でネズミを捕らえることに批判的な人もそれなりに存在しています。また、ネズミは私たちが殺そうとしている生き物の中で最も知能が高く、殺してしまうのは可哀そうと言う人も少なからず存在しています。
近年、私はバーモント州の古民家で夏の一時期を一人で過ごすようにしていました。その古民家は私の祖父母が住んでいたもので、現在はその子供たちの所有となっています。建てられた当時のままの調度品や装備がまだ多く残っていて、バスルームには大きなバスタブがあり、ドアの外には十字架が飾られていました。私がそこを使うようになった時、そのバスタブは何十年も使われていない状況でした。どうも時々シロアシネズミが使っていたようで、そのため少し茶色く汚れていました。私が使うようになっても、毎日毎日シロアシネズミが排水溝から登ってきて、柔らかくて白いお腹を私に見せていました。すぐに下に戻るネズミもいましたが、バスタブの側面を登り上がろうとするのもいました。それからバスタブにポトンと落ちるのもいましたし、登り切れずに途中でポトンと落ちるのもいました。大体いつも、陶器製のバスタブの屈曲して凹んでいた部分で、少なくとも1匹のネズミが居心地良さそうな顔で寛いでいました。そのバスタブは、ネズミにとって非常に人道的なネズミ捕り器だったかもしれません。
最初、私は鍋を使ってバスタブからネズミをすくい上げて森に逃がしていました。太陽の光を浴びてまばたきするネズミは、非常にかわいく見えました。しかし、再びバスタブを見ると、またネズミがいるということがほとんどでした。私は再び鍋ですくい上げるのを躊躇し、ネズミがバスタブで遊んでいる間は他のことをするようにしました。殺そうとは思いませんでした。かわいかったからです。当時、私が思っていたのは、ネズミたちはバスタブの中で元気に過ごしているようだし、バスタブ以外を汚したりするわけではないのだから問題無いのではないかということでした。しかし、ある朝、私がバスタブの中を覗いて見たところ、シロアシネズミ数匹がお腹を空かせていたようで、他のネズミが朝食に選ばれたようでした。朝食の食べ残しはピンク色の背骨と耳の部分だけでした。2匹のネズミが私を見つめていました。そのねっとりとした顔を見て、私は彼らが何を言いたいかが分かったような気がしました。おそらく、「お前が何も行動しないからこうなったんだぞ!」と言いたかったのでしょう。私は、その通りだと思いました。それで、私は再び鍋を手にし、ネズミを森に送り届けるサービスを再開しようと思いました。その2匹の共喰い野郎は、真っ先に森に送り届けてやりました。
ネズミ捕り器は、見ていたりする分には好きなのですが、使う時はそうでもありません。というのは、使うとなるとネズミとはいえ動物に危害を加えることになるので、あまり気持ちの良いものではないからです。いろんなネズミ捕り器のデザインを見たのですが、どうしてもネズミに厳しい罰を与えようと意図しているように見えて仕方が無いのです。ネズミがいくら生命力が強いと言っても、酷過ぎるような気がするのです(スチュワートが言っていたのですが、昔のネズミ捕り器はもっとネズミに苦痛を与えるものだったそうです)。ネズミ捕り器は、技術的な側面からではなく、悪質さの度合いで分類することも可能です。1980年代に強粘性の糊を用いたネズミ捕り器が流行ったことがありました。そのネズミ捕り器に捕らえられたネズミはほとんどが死にました。逃げようとして自分の脚を噛み切ったり、逃げようとしてもがいて飢えて乾いて疲労して死んだりしました。YouTubeでネズミ捕り器のレビューをしているショーン・ウッズ(Shawn Woods)は、1869年に特許が認められたネズミ捕り器を作ったことがあります。ネズミの形をしたもので、獲物には銛が打ち込まれます。ネズミの形をした部分には舌のような形をしたレバーがあり、それを本物のネズミが引っ掛けるとネズミに模したものの目の部分から銛が発射されて、本物のネズミの頭蓋骨に命中するのです。ウッズはたくさんのネズミ捕り器を試したことがあり、どれが一番素早くネズミを殺せるか調べたことがあります。彼は、そのネズミ捕り器を友人の家の納屋に設置し、それを試すところをカメラで捉えられるようにしました。しかし、そのままyoutubeに流すことなど不可能ですから、ペーパータオルの筒を使って血の海が視聴者に見えないようにしなければなりませんでした。
もちろん、多くのネズミ捕り器は、見ていて興味深いと同時に、比較的殺傷力は強くありません。パーの自宅地下の博物館で、私は彼に最も奇妙なネズミ捕り器を見せてくれるよう頼みました。部屋の真ん中あたりにあった1つを取り上げながら彼は言いました、「確かに変なのがいっぱいあるんだよ。」と。15年ほど前、ヒストリーチャンネル(History Channe)で放映された「Modern Marvels(現代の驚異)」という番組スタッフがパーを訪ねてきて、そのネズミ捕り器を稼働させて欲しいと依頼したことがあったそうです。それは木製のルーブ・ゴールドバーグ・マシン(Rube Goldberg machine)のようなものでした。ルーブ・ゴールドバーグ・マシンというのは、アメリカ合衆国の漫画家ルーブ・ゴールドバーグ が発案した、普通にすれば簡単にできることをあえて手の込んだからくりを多数用い、それらが次々と連鎖していくことで実行する機械・装置です。アイオワ州に住んでいる人から買ったものでした。私にどのような仕組みかを理解させるために、彼はそれが稼働する仕組みを説明してくれました。バネ式の罠で、ネズミが1匹捕まると、ビー玉が転がって、そのビー玉によって一連の動作が引き起こされ、最後にはろうそくが灯されて、それによって家人は罠がネズミを捕らえたことを知るという仕組みでした。パーは、それが稼働するところをヒストリーチャンネルで放映しようとしたのですが、上手く稼働せず成功しませんでした。彼は番組プロデューサーに言いました、「これが1個しか残っていない理由が分かったでしょ?そもそも上手く機能しないんだよ!」と。
近年のネズミ取り器の市場では、奇抜な製品よりも手軽なものが求められています。ウッドストリーム社(Woodstream)の製品の名前も「Out-of-Sight」(見えない)に始まり、「Easy Set」(簡単にセット)、「Safe-Set」(安全にセット)などとなっています。私は、ウッドストリームの防鼠事業担当副社長のボリス・バジロビッチ(Boris Bajlovic)に、同社がネズミ取り器の設計やデザインで重視していることを聞いてみました。彼は言いました、「当社がビクター(Victor )ブランドで扱っている製品はいずれも最高レベルのもので、あらゆる消費者の問題を解決します。当社のネズミ捕り器は、信頼性が高く、効率的で、安全です。」と。バジロビッチが言うには、過去数十年にわたり、社内だけでなく社外の開発者からの提案も参考にして新しい罠のデザインを数十件も検討してきたそうです。ビクターブランドで販売しているネズミ捕り器の中にも社外の開発者の提案を基に製品化したものが2つあるそうです。その2つには、いずれも、購入者がネズミが死ぬところを目にすることが無いという特徴があります。そのうちの1つが、クリーンキル(Clean-Kill)という商品名で、それは現在も販売されており、そのパッケージには”no-see, no-touch experience(目にせず、触りもせず!)”という謳い文句が印字されています(もう1つは、捕まえたネズミを密閉する方式なのですが、あまりにも高価で販売不振となり製造中止となっています)。以前、私の両親はバーモント州の家でクリーンキル(Clean-Kill)に似たネズミ捕り器を設置しました。両親は常時そこに住んでいるわけではなかったので、それを頻繁にはチェックしませんでした。そのおかげで、死んだネズミの腐臭が漂い始めるまでネズミが罠にはまったことに気づきませんでした。バジロビッチによると、ネズミ捕り器関連で今最も注目の新製品は、ネズミが捕獲されるとスマホにアラートを送るスマートデバイスだそうです。ネズミが捕まったか否かを目視で確認するということをしなくて済むようになります。それは、パーが以前に私に見せてくれた電球を使ったネズミ捕り器を現代風にアレンジしたものだと言えます。
私は、より良いネズミ捕り器を選ぶために、動物愛護協会(Humane Society)のジョン・グリフィン(John Griffin)に協力を依頼しました。グリフィンは人間と野生動物の関係をより良くするための研究をしています。私は、なかなか良いネズミ捕り器を見つけることは難しいと感じていました。それで、彼にどれがネズミにとって良いネズミ捕り器であるか聞いてみました。彼が言ったのは、残念ながらネズミを追い払うための完全に人道的な方法は無いということでした。彼はきっぱりと強い口調でそう断言しました。ただ、彼は、全てのネズミ捕り器は非人道的であるが、製品によってその度合いに幅があると言っていました。強力糊を使うネズミ捕り器や毒薬を使うものは特に非人道的です。殺傷力が高いという点ではそれらと同様ですが、直ぐに死に至らしめますから、バネ式のものなどはほどほどに非人道的です。1匹を生け捕りにするものなどは非人道的とはいえ、その度合いは最も低くなります(複数を生け捕りにするものもありますが、かなり非人道性は高いです。というのは、私のバスタブでも見られたように、ネズミ同士が共喰いをする可能性が高いからです)。グリフィンが私に教えてくれたのは、1匹を生け捕りにするネズミ捕り器を使って、しかもネズミを捕まえたら即座に近くの森に逃がしてやる場合のみが人道的な対応に該当するということでした。捕まえたネズミはそのままにしておくとストレスと脱水症状で数時間以内に死んでしまうと言っていました。グリフィンは、ネズミが森に放たれた後の状態については全く分からないと言っていました。そうした研究は為されていないと言っていました。おそらく、ネズミは全く知らない場所に来て混乱するでしょうし、種類によっては、家の中で罠にはまったままになっている場合よりも寿命が短くなるかもしれません。私はバーモント州で過ごした夏のことを振り返っているのですが、捕まえたネズミを森に放つのではなく、ひょっとしたらピーナッツバターを食わせてあげれば良かったのかなあと思います。
グリフィンが言うには、自分の家でネズミを見かけたことがなくても、おそらく家の中には現在もネズミが住んでいるか、かつて住んでいたことがあるはずだそうです。ネズミはどこにでもいるそうです。けれども、ネズミは駆除されなければなりません。それには厳然とした理由があります。寄生虫、バクテリア、ウイルスなどを媒介するからです。でも、実際にはネズミがそこかしこにいるのに、だからといって疫病にかかる人はほとんどいません。人々はネズミ捕り器を購入する時だけ、ネズミのことを意識しているのです。本当はネズミがまわりを走り回っているくらいの方が、ウイルス等への免疫が高まって人間にとっては良い環境である可能性だってあります。しかし、ネズミ捕り器メーカーのマーケティング戦略の影響で、世間のネズミに対する許容度が著しく低くなってしまっているのです。本当はネズミの駆除をせっせとやる必要などないのかもしれません。ネズミのせいで、ほうれん草に付いたサルモネラ菌に接触したり、ハイキングをしていてマダニに噛まれるリスクがあるわけですが、人間のそうしたリスクに対する耐性は本当は低くないのです。
ネズミは、駆除しようとしても既にそこかしこにいます。それでも、何とか自分の家には入り込ませないように試みることはできます。そうして、多くの人がネズミがもたらす問題を回避しようとしています。ウッドストリーム社は、何種類もの忌避剤も販売しています。私の両親はそれをバスタブに塗り込みました。しかし、父は、最近、リビングでくつろぐつがいと思われるネズミ2匹を目にしました。2匹は、パーティーの疲れを癒すような感じで白いアームチェアで寛いでいました。私の両親は、忌避剤も効かないことを認識したわけですが、この家にはネズミが間違いなくいることを認識し、同時に、それで問題無いのだと結論付けました。誰もが私の両親の様な結論に至るわけではないと思います。もし、どうしてもネズミが家に住み着くのが嫌ならば、頭を使って対処するしかありません。PETA(People for the Ethical Treatment of Animals:動物の倫理的扱いを求める人々の会)の幹部が教えてくれたのですが、屋根裏にストロボライトを置くのが効果的だそうです。ネズミはそれが大の苦手のようです。