本日翻訳して紹介するのは、the New Yorker のWeb版にのみ掲載のNate Hopperによる寄稿記事です。タイトルは、”The Thorny Problem of Keeping the Internet’s Time”(インターネットの時刻を同期し続けるという厄介な問題)となっています。
Nate Hopper はテクノロジー関連の記事を書いています。スニペットは、”An obscure software system synchronizes the network’s clocks. Who will keep it running?”(人知れずソフトウェアが、インターネットの時刻を同期しています。誰がそれを実行し続けるのですか?)となっています。
さて、この記事では、インターネットに繋がっているあらゆるデバイスの時刻の同期のことが記されています。時刻を同期するプロトコルはほぼほぼ1人のプログラマの手でコーディングされたのです。凄いことです。全てのデバイスの時刻を同期するということは非常に重要なことです。株式の取引なんかでは、ミリ秒単位でトランザクションがあるわけですから、ミリ秒単位でも狂うと問題があるのです。しかるに、時刻を同期するシステムを開発した者に対する賞賛は全くありません。もちろん、正当な対価も与えられていません。
賞賛されるどころか、無料で使われているのに、使いにくいとか、コードが冗長すぎるとか非難されることもしばしばあり、ひっきりなしに改善要望や修正案が届いていたそうです。いや、只で使っておいて、それはないだろう?キレても不思議ではないと思います。実際、コーディングしたデビッド・ミルズは、しばしばキレていたそうです。
さて、ミルズがコーディングした時刻を同期するシステムはオープンソースコードでした。プログラムを無償で公開していました。それ故、ひっきりなしに改善提案がミルズの元に届いたのかもしれません。オープンソースであることの問題は、対価が得られないということです。それで、ミルズの時刻同期システムに関与する者の数は、驚くほど少なかったのです。そりゃそうです。お金が貰えなければ、喰っていけないわけですから、携わりたくてもできません。
時刻同期のプログラムは、随時修正が必要でした。あまりにも重要で、あまりにも膨大なデバイスに実装されていましたので、修正頻度は非常に多かったのです。お金も受け取れないので、少人数しか関与していない、その上、重要なプログラムなのでメンテナンスし続ければならない。メンテナンスしても実装しているデバイスが多いだけに、改善要望がひっきりなしに届く。本当にやってられません。この辺りにオープンソースコードの限界を感じました。
では、以下に和訳全文を掲載します。詳細は和訳全文をお読みください。