イギリスポンドが大幅下落、トラス新政権の減税政策に懸念!ポンド暴落を他山の石とすべし!3つの教訓とは?

 本日翻訳して紹介するのは、Web版にのみ掲載のJohn Cassidyによるコラムです。タイトルは”Three Lessons for Americans from the British Pound’s Plung”(イギリスポンド暴落を他山の石とすべし!3つの教訓有り)です。Cassidyはスタッフライターです。

 イギリスではリズ・トラス新首相が大規模な減税を実施すると公表しました。財源は全て国債で賄うとのことでした。これを受けて金融市場には動揺が広がり、ポンドや英国債価格が急落しました。その後、イングランド銀行が英国債を買い入れると表明したので、ポンドと英国債の急落はいったんは落ち着きました。ポンドが急落した後、値を急激に戻す形になったのですが、その影響はアメリカにも及びました。

 さて、Cassidyによれば、イギリスポンドが乱高下した顛末で得られた知っておくべき教訓が3つあるそうです。それは次のとおりです。

  1. アメリカ経済は国際的な出来事の影響を完全に免れることはない。
  2. アメリカ金融市場、アメリカ経済は、非常に脆弱な状態にある。
  3. ほとんどのアメリカ人が自国通貨がドルであることが幸運であることを認識していない。

 イギリスは大規模な減税を行って不足する財源は全て国債を発行して賄うとしています。マネープリンティングするのと同じわけですから、インフレがさらに進み、ポンドの価値は下がり続けるでしょう。また、景気が回復したら、減税は止めるとしていますが、そんなこと出きるんでしょうか?選挙で広く国民から審判を受けなければならないわけですから、減税を止めること(=増税)は容易には出来ないと思います。

 なお、このコラムはアメリカ人向けに記されたものですので、日本人が読むとあまり心に刺さらない部分があります。しかし、上記の3は、日本にも当てはまると思います。円はハードカレンシーですから、日銀は円を刷り続け、日本は債務を膨らませ続けることができます。ハードカレンシーは、ドル、ユーロ、円、ポンド、スイスフラン、カナダドルくらいしかありません。その恩恵は非常に大きいのです。そのことを認識する必要があります。また、円がハードカレンシーで無くなった際には、大惨事となることは認識しておかねばならないと思いました。

 では、以下に和訳全文を掲載します。詳細は和訳全文をご覧ください。