気になるSocial-Media Giantsの行く末!Facebookは限定的な存在になってしまう?

 本日翻訳して紹介するのは、Web版にのみ掲載のCal Newportよるコラムです。タイトルは、”TikTok and the Fall of the Social-Media Giants”(TikTokの隆盛とソーシャルメディアの巨人の没落)です。このコラムを読むと、Facebookの先行きは暗いように思えます。

 NewportはIT 関連の記事を多く寄稿しいています。著書もたくさん出しています。いずれも邦訳が出ていてAmazon等で簡単に購入できます。私は、「デジタル・ミニマリスト」が本屋で平積みにされているのを見て購入して読みました。「超没入 メールやチャットに邪魔されない、働き方の正解」と「今いる場所で突き抜けろ! ―強みに気づいて自由に働く4つのルール」は、楽天で中古を買って読みました。いずれも、なかなか面白かったです。私は、この人の本を読んで、女性だろうと勝手に思っていたのですが、男性でした。私は、かつてこの人のコラムを読んで、共感できない部分がありました。それは、バレットジャーナルbullet journal)はあまり役に立たないと主張していたことです。バレットジャーナルは、個人の備忘録のための手帳としてはそれなりに有用だと思います(業務で成果を上げるのには、まったく効果がないというのがNewportの主張です。たしかに、会社でプロジェクト等が行き詰まった際には、その問題に目を向けて解決することが重要で、それはバレットジャーナルを使っても解決されるわけではありません。)

 さて、このコラムの要旨は次のとおりだったと思います。

  1. TikTokは短期間で膨大なユーザーを獲得した。アクティブユーザー数も多い
  2. FacebookやTwitterの強みは、ソーシャルグラフ(ウェブ上における人間の相関関係、またはその結びつきの情報のこと)を活用したアルゴリズムにあった。これまでに、ソーシャルグラフの強大な基盤を築いていた。他のソーシャルメディア・メットワーク関連企業が、追随して構築するのは現実的には不可能な規模で、事実上の参入障壁となっていた。
  3. しかし、知人や友人でFacebook等を使っている者が少ない人にとっては、FacebookやTwitterは敷居が高かった。
  4. TikTokが短期間でユーザを増やせたのは、FacebookやTwitterと違って敷居が低かったから。
  5. TikTokでは、興味のあるショートムービーを見て、気に入らないものはスワイプして回避すれば、アルゴリズムがそうした行動から興味を自動的に分析してレコメンドする。
  6. Facebookは、TikTokを模倣して、ショートムービーを使えるようにした。また、ソーシャルグラフに頼らずに、見たショートムービーから興味を分析するアルゴリズムを強化する方向に舵をきった。
  7. それでは、Facebookの強みである強固なショーシャルグラフの基盤を活かせなくなる。そこでは、人々の興味を分析して、人々の時間をいかにして奪い取るかが肝となる。
  8. その際の競争相手は、ソーシャルネットワークサービス・アプリだけではない。インターネット上のあらゆるものが競争相手になり、ゲームやビデオストリーマー、ポッドキャスト、自己啓発アプリ等と競わなくてはならなくなる。
  9. 残念ながら、Facebookは、特に人の興味を引くことに長けているわけではなく、その競争を勝ち残ることはできない可能性が高い(Twitterも同様)。
  10. 将来、ソーシャルメディア・プラットフォームの巨人が倒れる可能性があるが、それは決して悪いことでもない。それらの支配力が弱まることで、インターネットは、本来のより自由で開放されたものに戻る可能性がある。

以上が、要旨でした。

 私は、なるほどと思って読みました。かなり同意できる内容でした。先日、Meta(旧Facebook)社の株価が暴落しました。決算発表でユーザー数の伸びが頭打ちになったと発表したことが嫌気された格好です。今後もかなり苦しいのでは無いでしょうか。つい2〜3年前まで、私は、GAFAM の強固な支配力は永遠に続くものだと思っていました。しかし、人類の歴史を振り返るとそんな企業は今までありませんでした。おそらく、これからも出現しないでしょう。ですので、Facebookが倒れるという予測は突拍子のないものではないのです。

 では、詳細は和訳全文をお読み下さい。以下にわやく全文を掲載しています。