トランプ前大統領がバンスを副大統領候補に指名した理由

 本日翻訳し紹介するのは The New Yorker の Web 版に 7 月 15 日に投稿された Benjamin Wallace-Wells のコラムでタイトルは” Why Donald Trump Picked J. D. Vance for Vice-President “となっています。

 タイトルを訳すと「ドナルド・トランプがJD・ヴァンスを副大統領に選んだ理由」となります。スニペットは、” The Ohio senator is an attack dog for the former President, but he is also something more emergent and interesting: he is the fuse that Trump lit. “(オハイオ州選出の上院議員は前大統領の攻撃犬だが、さらに新しく興味深い存在でもある。つまり、トランプが点火した導火線である。)となっていました。

 さて、月曜日にバンスが共和党副大統領候補に選出されました。通常、副大統領候補は大統領候補と毛色が違う者が指名されます。そうすることで、幅広い層から支持を得ようとするわけです。オバマの場合は、自身が黒人で若くて左派よりであったので、年寄で保守寄りで白人のバイデンを指名していました。白人高齢男性のバイデンは、非白人で女性のカマラ・ハリスを副大統領候補に指名しました。

 今回、トランプは自身の番犬とも言える JD・バンスを副大統領候補に指名しました。もう幅広い層から支持を得る必要などないのです。ひたすらトランプの主張を支持する層に訴えかけるという戦略のようです。

 トランプが大統領に再選されても、任期は 4 年です。たった 4 年です。彼の後継者がいなければ、4 年後にトランプ主義、トランプイズムは途絶えてしまいます。トランプはそれでも問題無いと考えているでしょうが、共和党指導部はそうではありません。デモグラフィックを見ると移民が移民が増えており(移民は民主党に投票する傾向が強い)、共和党が大統領選で勝利する可能性があるのは今回が最後と言われていました。しかし、トランプの正統の後継者と認められる人物が生み出されれば、次回以降も共和党が大統領選で勝利する可能性は残ります。はたして、バンスはトランプの正統な後継者と認められるようになるのでしょうか。なかなか優秀な人物のようですが、トランプほどのアクは無いようです。

 では、以下に和訳全文を掲載します。詳細は和訳全文をご覧ください。