Q.4
報告書は、新疆で起こっていることを理解する上で、新たな資料を提供していますか?あるとしたら、どういった部分ですか?
A.報告書に新しいことが書かれているとは思いませんが、多くの情報は、人権高等弁務官事務所が独自に調査・分析を行ったものです。つまり、彼らは他の機関等の調査資料を寄せ集めて、適当に報告書をまとめたわけではないのです。同事務所は、取り締まりの実際の目撃者40人以上と面談し調査を行っています。これは、結構な数です。また、中国政府や新疆自治区政府の内部文書や資料や衛星写真や多くの規則や法律なども調査しています。報告書は、さまざまな文書や情報の信憑性も検証して評価したものです。
同事務所の調査官たちは独自に調査し分析を行ったのですが、多くの点で他の組織等と同じ結論に達したのです。同事務所は、調査結果が、国連が開く会議等や加盟国(中国も含まれる)によって厳しく吟味されることを承知していたので、非常に客観的でバランスのとれた方法で調査を行い、報告書の作成を行ったのです。なぜ、新聞社や人権保護団体ではなく、国連が発行する報告書であることが重要なのでしょうか?その違いは明白だと思います。スポーツの試合をイメージしていただきたいのですが、観客が一方のチームが反則を犯したと主張するのと、主審が反則があったと指摘することとの違いと同じだと思います。その試合で、反則があったと判断をする明確な権限を与えられているのは、主審のみです。人権に関する犯罪に関して、違反があったと明確に判断する権限があるのは、国連の機関である同事務所だけなのです。ですので、今回公表された報告書は、NGO等による報告書とはまったく異なる重みを持っており、これまで発表されたどんな報告書よりも重みのあるものなのです。