食品の成分表示は信頼できるか?メーカーが規制を搔い潜って消費者にアピールする努力は、涙ぐましいものがある!

 本日翻訳して紹介するのは、the New Yorker September 11, 2023 issueに掲載された Sarah Larson による記事です。タイトルは、”The Lies in Your Grocery Store”(嘘まみれの加工食品)です。Sarah Larson はスタッフライターです。

 さて、本日訳した記事は、加工食品のパッケージの表示に欺瞞的なものが多いということに関してでした。消費者代表訴訟を提起しまくっている1人の弁護士を取材することによって、ことの核心に迫ろうとしています。訳していて、偏質狂的な弁護士の行動を追っていて、それが報じたいことなのかと感じたこともあったのですが、そうではありません。ルポルタージュ的に弁護士に密着することで、食品メーカーがパッケージの表示で規制を回避して商品を何とか消費者に売りつけようと奮戦している姿、その問題点を明らかにしています。

 さて、詳しくは和訳全文をお読みいただきたいのですが、この記事を読んで気づいたのは、食品のパッケージで欺瞞的な表示をしているメーカーは世界的な大企業が多いということです。小さなメーカーが欺瞞的な表示をしたら、バッシングされます。たくさんのアイテム、商品ブランドを保有している大企業と異なり、小さい企業は1つの商品がバッシングされて売れなくなったら潰れてしまいます。

 ところが大企業は違います。欺瞞的であるとして提訴されたら、大企業はお抱えの弁護士がいるので法廷闘争をします。提訴を棄却させるために闘います。ダメそうなら原告と和解します。多少の出費は無問題よっ、てなもんです。その間に、こっそり、人知れず表示を修正したりします。しかも、先進国のアメリカですが、信じられないことに大企業の本社が置かれている当地の裁判所の判事は全く公正ではありません。あからさまに、企業寄りの姿勢の判事がいます。その姿勢を隠そうともしません。それが当然とおもっていたりします。

 アメリカは中国のことを何やかやと批判することが多いですが、人のことは言えないだろうと思わなくもありません。そもそも、アメリカは訴訟社会で、訴訟件数がべらぼうに多いわけですが、それは権利意識が高いのが理由ではないのです。国や自治体の規制や法令の運用する能力が低いというのが理由なのです。それで、訴訟でケリを付けなくなければならなくなっているのです。

 さて、話がそれてしまいました。以下に和訳全部を掲載します。詳細は和訳全文をご覧下さい。