本日翻訳し紹介するのは、the New Yorker のJune 21, 2019 Issueの記事です。題は”When Graphs Are a Matter of Life and Death”(正しいグラフが作られるか否かが、生死を分ける時もある!)です。グラフの発明は人類にとって非常に重要であるという内容です。
Hannah Fry氏の記事です。彼女はITとかデータサイエンスとかに関する記事を多く寄稿しています。面白い記事が多いので、また訳して紹介していきたいと思います。さて、今回訳して投稿した記事の内容は、グラフの重要性に関するものでした。グラフって、発明されて(というか使われるようになって)から300年ほどしか経っていないそうです。これが使われるようになって、長い年月のものごとの推移とかが視覚的に分かり易くなったと記されています。私なんかはひねくれていますので、いや、グラフじゃなくても数字の羅列の表であっても分かるんじゃないかと思わなくもないです。でも、鉄道のダイヤグラムなんかを見るとグラフと表のどちらが分かり易いかは一目瞭然ですね。間違いなくグラフの方が分かり易いです。
そんな分かり易いグラフですが、間違って使われると、あるいは、間違ったグラフを使うと、悲惨な結果が引き起こされます。米でチャレンジャー号(スペースシャトル)が打ち上げ後すぐに爆破して乗員全てが亡くなった事故はその典型でした。低外気温下ではOリングというパーツの弾力性が低下して燃料漏れが発生することを暗示するグラフが提示されてのですが、そのグラフには低外気温以外でのデータが不足していました。その部分のデータもグラフにあれば、低外気温下でのみ燃料漏れが発生していることが明確となり、低外気温下での打ち上げは強行されず、事故は防げたかもれません。
ところで、現在ではコンピューターで膨大なデータを分析する際には、散布図が良く使われています。紙の上に散布図を記すと2次元のものしか作れないのですが、コンピューターの中では、数百次元の散布図が作られて分析がなされています。そうした分析によって、膨大な遺伝子のDNA情報の中に、人間では認識出来ない相関関係があるのが見つかったりします。よく、三大発明というと火薬、羅針盤、活版印刷術と言ったりしますが、グラフの発明も同じくらい重要だと思いました。
では、以下に和訳全文を掲載します。