バイデン政権の手腕はお見事💮💮 アメリカの失業率は過去最低のレベルに!その恩恵はとてつもなく大きい!

Our Columnists

The U.S. Is Reaping the Benefits of Low Unemployment
アメリカは低失業率の恩恵を受けている

In many ways, keeping the jobless rate low and the labor markets tight is the most effective and cost-efficient welfare policy there is.
多くの点で、失業率を低く抑え、労働市場を逼迫させることが、最も効果的で費用対効果の高い福祉政策である。

By John Cassidy January 8, 2024

 アメリカ労働省( the Labor Department )が先週金曜日( 1 月 5 日)に 12 月の雇用統計を発表した。それによって 2023 年の全体像が明らかになった。昨年 1 年間でアメリカでは 270 万人の雇用が創出され、非農業部門の雇用者数は 1 億 5,720 万人となった。新型コロナの感染が蔓延し始めた 2020 年 2 月の時点よりも約 490 万人増えている。また、ジョー・バイデンが大統領に就任した 2021 年 1 月と比べても約 1,430 万人増えている。

 2024 年は大統領選の年である。この数字は民主党にとって心強いものである。バイデン政権は最初の 3 年間で、トランプ政権の最初の 3 年間の 2 倍以上の雇用を創出した。私が以前にも指摘した通り、バイデン政権発足当初に民主党が多数を占める連邦議会が可決した大規模な景気刺激策は、間違いなく需要を喚起し、労働市場の新型コロナパンデミックからの回復を早めるのに役立った。現在、アメリカ経済は新型コロナの影響を完全に脱したと言える。雇用創出の力強さと失業率の低さを、バイデン大統領ら民主党執行部は自画自賛している。当然、これは誇っても良いことである。というのは、強い労働市場というのは、無数のアメリカ人に恩恵をもたらすからである。しかも、もたらされる恩恵が最も大きいのは、最も困窮している者たちなのである。実際、多くの意味で、失業率を低く抑え、労働市場を逼迫させることが、最も効果的で費用対効果の高い福祉政策なのである。

 完全失業率( over-all unemployment rate )を非常に低い水準に維持することの恩恵の 1 つは、職を求めている、あるいは職を必要としている圧倒的多数のアメリカ人に職が保証されることである。12 月の失業率は 3.7% であった。ほぼ 2 年間 4% を下回っているわけだが、これは実に半世紀ぶりのことである。もし、この失業率の低さが新型コロナパンデミックの間に多くの者が永久に求職するのを諦めたことが主要因であるならば、特に賞賛すべきことでもない。しかし、そうではない。新型コロナの影響で多くの者たちが離職し、特に年配の労働者が多かったわけだが、彼らの多くが再び職に就いている。加えて、若者や移民で新たに職に就いた者も多く、その数は数百万人に達する規模である。新型コロナパンデミックが始まって以降で、アメリカの全労働力人口( over-all labor force )は 300 万人以上増加している。プライムエイジ( prime-age workers )と呼ばれる 25 歳から 54 歳までの労働者では、労働力参加率( labor-force-participation rate )が 83.4% と 2007 年以来の高水準で、パンデミック前より高くなっている。(労働参加率とは、人口に占める労働力人口(就業者+完全失業者)の割合である。)

 2 つめの大きな恩恵は、多くの恵まれない立場にある者たちが職に就いたり、職に就き続けやすくなることである。2023 年の年間の平均値で、黒人の失業率は 5.5% だった。大統領経済諮問委員会( CEA )のブログの投稿によれば、これは 1972 年に政府がこの数値を記録し始めて以降で最も低い数字であるという。逼迫した労働市場から恩恵を受けているグループは黒人以外にもある。それは、障害を持つ者たち( disabilities )である。健康上の理由から、障害を持つ者たちの多くは働くことができない。しかし、昨年、障害を持つ者たちの中で雇用されている者の割合が過去最高を記録したのである。

 低失業率の大きな恩恵のもう 1 つは、それが維持できれば、多くの労働者、特に低賃金労働者がより高い賃金を得られるようになることである。これは、主として需要と供給の問題に起因するものである。求人が不足している時は、低賃金の職場でさえも求職者が殺到する。しかし、雇用主が欠員を埋めるのに十分な労働者を見つけるのに苦労している時には、賃金の提示額を引き上げざるを得ない。この現象を強調した経済学者の 1 人が、マサチューセッツ大学アマースト校( the University of Massachusetts Amherst )教授のアリンドラジット・デュベ( Arindrajit Dube )である。先週末、デュベは、X (旧ツイッター)に、テキサス州のマクドナルドの店舗の写真を投稿した。その店舗は、時給 14 ドルで求人を出していた。同州は最低賃金を定めていないが、「労働市場の逼迫が(不確実ではあるが)労働者に少なからず恩恵をもたらしている。」とデュベは記している。

 デュベは、同僚のアニー・マクグルー( Annie McGrew )とMITのデビッド・オーター( David Autor )との共著論文によれば、失業率が 5% を下回った 2021 年後半以降、所得分布の 10 パーセンタイルに該当する労働者、つまり最低から数えて 10% に位置する労働者の賃金の上昇率が、分布上の中間層や最上位に近い労働者よりも高いという。「賃金の上昇は、40 歳未満で大卒でない労働者の間で特に顕著であった。」と、その共著論文には記されている。こうした数値は、それ以前の傾向が 180 度転換したことを示している。それ以前は、低賃金労働者の賃金がどんどん下がるという傾向が顕著だったのである。実際、デュベたち 3 人の計算によれば、最近の低賃金労働者の賃金上昇率は、一般的に使用されている指標で計算すると、1980 年から 2020 年の間に起こった賃金格差の拡大の約 40% 埋め合わせたという。これは歴史的な快挙と言える。この状況が続くようにすべきである。

 これらの理由から、今後数カ月間、できれば数年間は、失業率を可能な限り低く抑えることが不可欠である。過去 18 カ月間、連邦準備制度理事会( FRB )は、熟練の手腕によるものなのか、単なる幸運の結果なのかは分からないが(ここではこの議論には踏み込まない)、インフレ率の大幅な低下( 2022 年 6 月の 9.1% が 2023 年11 月には 3.1 % まで低下)を主導してきた。ジェローム・パウエルら FRB の理事たちが 2024 年に何をすべきかを決定する際には、逼迫した労働市場がもたらす多くの恩恵と、それを維持する必要性を念頭に置いて欲しい。♦

以上