なぜ知識人たちは終末を語り始めたのか?アメリカでシナリオ思考が隆盛! 生物兵器戦争は世界を滅ぼすのか?

ソ連の極秘生物兵器計画から AI 時代の人類滅亡論まで。The New Yorker 掲載の話題コラムをもとに、「シナリオ」という未来予測手法の功罪を解説。なぜ私たちは破滅を想像できないのか。パンデミック、AI 、文明崩壊をめぐる刺激的な考察から、人類の想像力の限界と備えることの重要性を読み解く。

本日翻訳して紹介するのは、Gideon Lewis-Kraus の記事です。New Yorkerweb 版に July 25, 2026 に投稿されたものです。タイトルは、” The Rise of the “Scenario,” a Trendy Way of Forecasting our Dystopian Future “(ディストピア的な未来を予測する流行の手法、「シナリオ」の台頭)となっていました。 Lewis-Kraus はスタッフライターで、サイエンス関連を担当しています。スニペットは、” In “Biological War,” Annie Jacobsen imagines society collapsing from a man-made plague—part of a wave of such prophecies. But what do we miss when we try to predict the future?”(アニー・ジェイコブセンの新著「生物兵器戦争( Biological War )」は、人為的な疫病によって社会が崩壊する様を描いている。これは、近年相次いでいる予言の一つである。さて、未来を予測しようとする時、私たちは何を見落としているのだろうか?)となっていました。

さて、この記事は、アニー・ジェイコブセン著「Biological War: A Scenario」を起点にして、「シナリオ」という未来予測手法そのものを考察しています。ジェイコブセンの著書は生物兵器戦争に関するものです。現時点では未邦訳です。入念な取材検証を敢行して、それを未来に反映させており、空疎な SF ではありません。身も凍るような恐ろしい内容です。

今回翻訳した記事でなるほどなと思ったことが 1 つあります。それは、Lewis-Kraus は新型コロナウイルスは武漢の研究施設から漏れたものであるという前提で話をしていることです。かの国は、そんなことは認めていないません。その影響なのでしょうか、日本でもあまりそうした主張をする者は多くありません。しかし、どうやらアメリカではほとんどの人が武漢が元凶だと考えているようです。

また、ジェイコブセンの著書ではキメラ細菌兵器についての記述があります。これが開発されて実戦投入されると人類はあっという間に絶滅するでしょう。おそらく、AI 等の能力を借りれば今後 30 年くらいで開発可能だと推測します。でも、心配したってしょうがありません。人類を滅ぼすほどの影響力があるのは細菌兵器だけではありません。AI 、核、気象変動などいくらでもあるわけです。だから、粛々と生活するしかないのです。

さて、話がそれましたが、今回翻訳した記事の要約を以下に記します。その下に和訳全文を掲載します。要約を読まれて興味を持たれた方は、ぜひ和訳全文にをお読みください。

要約

  • 本稿は、アニー・ジェイコブセン著『Biological War: A Scenario』を起点に、「シナリオ」という未来予測手法そのものを考察するコラム。
    • ソ連時代の極秘生物兵器計画「バイオプレパラート」の実話を紹介。
    • 遺伝子操作された病原体が国家を崩壊させる可能性を描く。
  • ジェイコブセンは、生物兵器事故から始まる人類規模のパンデミックをシミュレーションする。
    • ロシアの研究施設で事故が発生。
    • 病原体が数日で世界に拡散。
    • 医療体制、社会秩序、国家機能が連鎖的に崩壊する。
    • 人々は感染症そのもの以上に、恐怖や不信によって社会を破壊していく。
  • 著者が示したいのは単なる終末物語ではない。
    • パンデミック時の混乱や陰謀論の拡散は現実にも起きた。
    • 現実の延長線上にある危機として描くことで強い説得力を生んでいる。
  • コラムの主題は「未来予測の難しさ」にある。
    • 近年はAI、核戦争、生物兵器などの分野で終末シナリオが流行している。
    • 多くの人は「未来は過去の延長線上にある」と考え、大胆な予測を退ける。
    • しかし歴史には文明崩壊や社会断絶という前例も存在する。
  • 問題は、過去に起きたことだけを基準に未来を判断してしまう点。
    • 未知の脅威は前例がないため軽視されがち。
    • だが本当に危険なのは、歴史上初めて起きる出来事かもしれない。
    • そのとき従来の経験則は役に立たない。
  • 筆者の結論は明快である。
    • シナリオは未来を正確に当てるためではない。
    • 想像したくない最悪の事態を真剣に考えるための道具である。
    • 人類に必要なのは「どうせ起きない」と笑うことではなく、「もし起きたら」に備える想像力だ。

以上、要約でした。
以下に、和訳全文を掲載します。詳細は和訳全文をご覧ください。