We Are All Constantly Mutating—and That’s a Good Thing
私たちは皆、絶えず変異し続けている―そしてそれは良いことである
Genetic research has been complicating the idea of the genome as a determinative blueprint.
遺伝子研究は、ゲノムを決定的な設計図とみなす考え方を複雑化させている。
By Jerome Groopman April 6, 2026
1.
私がこれを書いている間にも、私の DNA は変化している。そして、あなたがこれを読んでいる間にも、あなたの DNA は変化している。多くの者が、両親から受け継いだ遺伝子は、成長と発達のための固定された設計図であると考えている。生涯を通じて不変であり、体内のすべての細胞の DNA は他のすべての細胞の DNA と同じであると考えている。だが実際には、DNA は変化する。いわゆる突然変異( mutations )である。それは、胎児期から死ぬまで起こる。この現象は、ヒトゲノム( human genomics )に関する理解が深まるにつれて、ますます注目を集めている。科学ジャーナリストのロクサーヌ・カムシ( Roxanne Khamsi )の新著” Beyond Inheritance (未邦訳:遺伝を超えての意)”は、この分野に関する示唆に富んだ、時には驚くべき影響についても言及する有益なガイド本である。「今日のあなたは、昨日とは少し遺伝子が異なっている。明日も同様に異なる」と彼女は書いている。
こうした突然変異は、ギリシャ語で「肉体」を意味する単語” soma ”に由来するのだが、体細胞突然変異( somatic mutations )と呼ばれる。この言葉は遺伝性突然変異( inherited mutations )ほど一般には馴染みがない。後者の有名な例としては、ヴィクトリア女王( Queen Victoria )の男系子孫の多くに影響を与えた血友病( hemophilia )が挙げられる。ヴィクトリア女王は、娘や孫娘たちと同様に、血友病の突然変異の保因者だった。これらの女性は、2 本の X 染色体のうち 1 本に突然変異が起こり、もう 1 本には突然変異がなかった。血友病の症状は現れなかった。しかし、女王の男系子孫は 3 世代にわたって突然変異を持つ 1 本の X 染色体を受け継いだ。いずれも出血性疾患を発症した。
通常、血友病は遺伝性の疾患である。しかし、異常遺伝子を持たない親族がいる患者もいる。これらの人たちは体細胞突然変異を起こしている。このような重篤な疾患が自然と発症するほど不運な人はいないわけだが、体細胞突然変異は誰にでも起こっている。常時、起こっている。人間の身体というのは、エラーの集合体であり、変化した DNA がモザイク状に存在している。細胞が分裂するたびに DNA がコピーされるが、間違いが必然的に入り込む。結局のところ、成人の身体には約 30 兆個の細胞があり、毎秒約 400 万個の細胞が入れ替わり、ヒトゲノム( human genome )は 60 億塩基対の DNA から構成されている。「推定では、1 日に何兆個もの新しい突然変異が獲得される」とカムシは書いている。放射線、太陽光、大気汚染、喫煙などの環境要因は、DNA コピーのエラーの発生率を高める可能性がある。しかし、遺伝子突然変異は異常なものではなく、細胞が複製するシステムに固有のものである。
近年のゲノム配列解析技術の進歩により、研究者は個々の細胞の DNA を分析し、同じ個体内の他の細胞の DNA と比較することが可能である。この技術によって、私たち一人ひとりの体内に存在する驚くべき遺伝的多様性が明らかになっている。また、突然変異は絶えず起こるため、年齢を重ねるにつれて蓄積されていく。カムシによれば、100 歳に達した人から採取した血液細胞 1 個には、4,000 個以上の突然変異が含まれている可能性があるという。