人類終了の始まり!?本物のヒューマノイドロボットが遂に家庭へ。専門家が本気で恐れる最悪のシナリオとは?

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 「ロボット( robot )」は、チェコ語が語源で英語として定着した数少ない単語の 1 つである。他には、「ポルカ( Polka )」や「榴弾砲( howitzer )」くらいしかないのではないか。この単語は、1920 年に発表されたカレル・チャペック( Karel Čapek )の戯曲「ロッサムの万能ロボット( Rossum’s Universal Robots )」で初めて使用された。この戯曲では、産業用ロボット企業が世界経済を変革し、ロボットがほとんどの仕事を担い、兵士としても配備される。同時に、人間の出生率はゼロにまで低下する。最終的に、ロボットが世界を支配し、地球上のほぼすべての人間が殺害される。

 ロボットについて長々と議論すると、必ずと言っていいほど終末論が言及される。アイザック・アシモフ( Isaac Asimov )の「われはロボット( I, Robot )」のような、より肯定的な作品でさえ、最終的にはアンドロイドが世界を支配することになる。私がボルニッヒにロボット革命について切り出した時、彼はどこか疲れた様子だった。「実際のところ、ロボットが人間に復讐しようとすることはない」と彼は言う。「そもそも記憶を消せばいいんだから」。

 おそらく、チャペックの戯曲が描いた恐ろしい顛末、そしてジェームズ・キャメロン( James Cameron )監督の映画「ターミネーター( Terminator )」のデストピア的な内容などが、ロボットに対するアメリカ人の認識に大きな影響を残したのだろう。ニューラの CEO デビッド・レガー( David Reger )が語ったのだが、アメリカのジャーナリストはもっぱらロボットのもたらす懸念について質問をしてくるが、韓国のジャーナリストはただせっかちなだけだという。「韓国人は待つのにうんざりしている!」と彼は言う。「『いつ商品化されるか?』と聞かれる」。このレガーの洞察はデータによって裏付けられている。スタンフォード大学が 30 カ国で世論調査を分析したところ、中国、韓国、タイ、インドネシアの回答者は AI の消費者向けアプリケーションに最も興奮している。逆にアメリカとカナダの回答者は最も興奮していない。

 私が話を聞いたロボット研究者のほとんどは、ヒューマノイドロボットが家事をこなすという見込みよりも、産業用途に期待を寄せているようである。エヌビディアで物理 AI シミュレーションを統括するレヴ・レバレディアン( Rev Lebaredian )は、「まずはマクドナルドで見かけるようになるだろう」と語る。アプトロニックのヒューマノイドロボット「アポロ( Apollo )」は、磁器のように白く、節くれだった手足と太くて頑丈な脚を持つ。メルセデス・ベンツ傘下のヨーロッパの自動車製造工場で使用されている。今のところ、このロボットの作業は部品の選別やコンベアへの積み込みに限定されている。作業を遂行する為にかなり強力なパワーが備わっている。万が一にも誤作動すると従業員に大きな怪我を負わせてしまう可能性がある。そのため、このロボットは他の従業員とは柵で隔てられている。

 世界中の工場で現在稼働している約 500 万台のロボットのうち、人型ロボットはほんの一握りに過ぎない。工業デザインソフトウェアメーカーであるオートデスク( Autdesk )の上級研究員のマイク・ヘイリー( Mike Haley )は、長年にわたり、こうした特殊な非人型産業用ロボットのプログラミングに携わってきた。彼は、製造現場で人型ロボットが役に立っているのを見たことがないと私に語る。塗装用の取り外し可能なアームやパレットを移動するための自律型フォークリフトなど、よりシンプルなロボットソリューションの方が、効率が良いという。コストも安く、可動部品も少なく、メンテナンスも容易である。「私の推測では、数年後には、現在の人型ロボットの開発競争のことを振り返って、『なんて馬鹿げたことを競っていたんだ』と思う瞬間が来るだろう」と彼は語る。

 中国では商用サービスロボットがすでにかなり普及している。とはいえ、食品の配達や洗濯物の折りたたみといった用途に特化した安価な装置がほとんどである。こうした作業に高価な人型ロボットは必要ないかもしれない。スキルド AI のパタクの提案するソリューションは、ロボットの各部を作業内容に合わせて分離することである。「例えば、自動車製造工場にロボットを導入して何かを組み立てているとすると、脚にエネルギーを費やす必要が本当にあるのか?」と彼は問いかける。「胴体を分離して作業台に置き、脚は分離して別のものを運ばせた方がよい」。